用語解説1 水質
このページではグッピーの飼育で出てくる用語をかんたんに解説しています。
解説の対象は、グッピーに限っていますので、一般的な解説ではありません。

PH(ペーハー又はピーエイチ)    
正しくはpH。水中に含まれる水素イオン濃度と、水酸化イオン濃度のどちらが多いか を
1から14までの数値で表したもの。PH7を中性とし、数値が下がると酸性、上がるとアルカリ性となります。
水の分子式H2Oは水素原子2個と酸素原子1個から成り立っていて、この分子構造が分かれて、
 (水酸化イオン)と(水素イオン)になります。これを電離と言い、
液体は純水であっても、少なからず電離しています。
中性では電離したそれぞれのイオンの数が等しい状態であり、が増えるとが減り酸性になり、
アルカリ性では逆になります。
これらのイオンの増減には、熱帯魚レベルでは、不純物、水温、魚の出すアンモニア、バクテリアの働き、
ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルと呼ばれる軽金属の類、
など様々な物質によって影響されます。

GH
総硬度のこと。総硬度とは、水中に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度を表しています。
総硬度は炭酸塩硬度(KH)と非炭酸塩硬度の和です。グッピーに合う総硬度は15と言われています。
カルシウムやマグネシウムなどの軽金属の類は、学校で習ったイオン化傾向が強く、
イオン化して水中の水素イオンや、水酸化イオンに影響します。
影響の仕方は複雑なので、ここでは割愛しますが、硬度0の水は、水質が変化しやすく、
グッピーの飼育には向いていません。
KH
炭酸塩硬度のこと。マグネシウムや、カルシウムがイオン化すると電子を放出して、陽イオンになり、
電子を受け取った方は陰イオンになります。イオンはこのように対になって存在します。
マグネシウムイオンとカルシウムイオンの濃度を炭酸塩硬度と言います。
しかし、マグネシウムイオンとカルシウムイオンを測定するのは難しい為、
対になっている陰イオンである炭酸水素イオン濃度を測定して換算したものなので、炭酸塩硬度と言います。

イオン化傾向
金属が水溶液の中でイオンになり易い尺度のことで、電池に使われるリチウムを筆頭に、
良く知られているものでは、
4カリウム、7カルシウム、8ナトリウム、9マグネシウム、10アルミニウム、11マンガン
と傾向の強いものから羅列した表があります。レアメタルと呼ばれる、希少な金属は別として、
上位の殆どが良く知られた元素ですが、これらイオン化傾向が強い元素は、
純粋な状態では、非常に危険な物質で、水と反応して爆発したりすします。
どこぞのパソコンが火を噴いたのも、バッテリー内のリチウムが原因です。
現在は改善されて、リチウムはハイブリットカーにも使われています。
ただリチウムは埋蔵量が少なく、チリの鉱山等では世界中の国や商社が、採掘権を狙って
熾烈な争いをしています。政治的な問題も有りますが、日本も参戦しています。
しかしリチウムは、水に溶けやすく海水中には、ほぼ無限に近い何億トンものリチウムが溶けていて、
このリチウムを如何に低コストで取り出すかの研究が続いています。
話はだいぶそれましたが、水爆や、核融合にも欠かせないのがイオン化の強い金属です。

バクテリア
バクテリアは真正細菌に分類される微小な生き物です。熱帯魚関連で言うバクテリアは
ニトロソモナスニトロバクターが有名です。ニトロソモナスはアンモニア酸化細菌で、
アンモニアを亜硝酸に硝化します。(消化では有りませぬ)。主に好気性といって、酸素を使って硝化します。
ニトロバクターは亜硝酸酸化細菌で亜硝酸を硝酸塩にします。
これらのバクテリアがいないと、水槽で長く魚を飼育することは出来ません。
一般的にはこの他に、嫌気性バクテリア(酸素がないとこの手の働きをするだけで本来は好気性)
シュードモナスによる、炭素と硝酸塩からの脱窒などと言われていますが、
一般的な水槽で酸素を皆無の状態にするのは、魚に死ねと言っているようなもので、
この効果を期待するより水換えした方が早いです。
バクテリアが十分に働いていると水は酸性に傾いていきます。
過密飼育では水槽水が新しければ、バクテリアの増殖が間に合わず、
アンモニアや亜硝酸によって体調を崩したり、死んでしまいます。
ある程度バクテリアが繁殖した水槽でも、急激に酸性に傾いたりして危険です。

アンモニア
化学式NH3は魚の出す糞尿から直接飼育水槽内に溶け出します。
魚にとってアンモニアは猛毒です。魚以外にも、大腸菌は還元ろ過のような働きをして、
硝酸塩から、アンモニアを作り出してしまいます。
少ない飼育水に過密に生態を投入するとアンモニア中毒になりバタバタと死んでいきます。
人間も密室に大勢閉じ込められると、酸素不足の前に2酸化炭素濃度が高くなり脳死してしまいます。
映画アポロ13で、二酸化炭素濃度との戦いが描かれています。

亜硝酸
HNO2 魚が排出したアンモニアはニトロソモナスなどのバクテリアによって酸化され、
亜硝酸に変えられます。亜硝酸も魚にとっては有害な物質です。
亜硝酸試薬によって濃度の検出が出来ます。新しい水槽では、亜硝酸濃度が高くなりやすいので注意が必要
です。
亜硝酸をニトロバクターなどのバクテリアがさらに酸化して硝酸塩にします。
硝酸塩も濃度が高くなりすぎると魚に有害です。
本来の水槽の水替えは、これら有害な物質を水槽内から取り除くことが目的となっています。
試薬を使って濃度を測っても良いですが、水槽を何本も必要とする国産グッピーでは、
試薬代も馬鹿になりません。経験で水変えのタイミングをつかみましょう。

脱窒
硝酸塩もシュードモナスなどによって特異な環境でのみ硝酸塩HNO3から酸素を奪い
窒素を放出させる働きのことを脱窒と言います。
この働きの為には炭素が必要で、更に酸素を無の状態にする必要があります。
これをアクアリウムで実現させるには、オーバーフロー加工と還元ろ過ボックスなどが必要になり、
小型水槽メインのグッピーでは別世界の話と考えてよいでしょう。
がんばって水替え有るのみ。永久水替え不要などと言う甘い言葉に踊らされていてはいけません。
手間がかからない趣味は趣味ではないのです。
ただ楽をして、綺麗な水槽を置きたいなら、液晶のパネルでも良いのです。

還元
還元は酸化した物質から酸素を奪うことです。化学的にはそういうことになります。
酸化とは鉄が錆びるのも酸化、物が燃えるのも原理的には酸化しているわけです。
酸素は非常に他の物質と結びつきやすい性質を持っています。
上記に上げた脱窒も硝酸塩から酸素をを奪う為還元ろ過と言います。

用語集2 遺伝関係
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用語集3
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